2023-04-07 雨上がり 2月に花を咲かせた梅の木に、小さな実がついていた。 うっすらと赤みを帯びたそれは、まるで小さな桃飾り。 雨上がりの空気はすっきりとして、鼻の奥へと抜けてゆくよう。 枯れ草色の草むらは、すっかり緑になり、柿の木には沢山の若葉が開いていた。 久しぶりに見上げた枝葉に、せわしげなこの頃を脇へと置いて一呼吸。 桜が散ると、また別の花々が咲く彩りの春。 ずっと春のままだといいのに。 毎年抱くわがままな思いも、一緒に吸い込んだ午後…。