和みの色
最近の福岡は雨がよく降る。
昼となく夜となく、雲が厚くなってきたと思っていると、夕立のような大粒の雨が町を叩き出し、見る間に大きな水溜まりで道路を満たす。
山里にある職場での昨日のこと。
屋外で一人作業をしていたら、ふいに飛んできた玉虫。頭上に手をかざすと留まったので、そのまま捕まえた。
薄曇りの晴れ間に映える虹色の羽根。
長引く梅雨の終わりを告げに来たのかも?
10年くらいになるかな?久しぶりに見た玉虫。この辺じゃまだいるんだねぇ。と、手を止めて一人思ってた。
懐かしくなって撮った玉虫の写真を姉弟のグループラインへ送ってみた。
子供の頃、母のふるさとで見た玉虫を思い出した姉。弟とは一緒にカマキリやカナブン採りへ行った話で盛り上がり…。
めくるめく昭和の話は玉虫色に飛んでゆき、昔々ふるさとの下町にあった大衆食堂のカツ丼のそれはそれは美味しかったことなどへ。
なにを食べても美味しかった子供の頃の舌に戻れたら幸せやろうね、とは姉。
ちなみに、今もってなにを食べても美味しい弟はきっと幸せ。
時計の針はね、時折止まって待っててくれる?
虫一匹のことで昭和にだって戻れる梅雨のひととき。
心和んだ昨夕の、雨も上がった帰り道。
梅雨明けの空を待ちわびて、ちょっとせっかちな虹色の話をすこし…。