和みの色
最近の福岡は雨がよく降る。
昼となく夜となく、雲が厚くなってきたと思っていると、夕立のような大粒の雨が町を叩き出し、見る間に大きな水溜まりで道路を満たす。
山里にある職場での昨日のこと。
屋外で一人作業をしていたら、ふいに飛んできた玉虫。頭上に手をかざすと留まったので、そのまま捕まえた。
薄曇りの晴れ間に映える虹色の羽根。
長引く梅雨の終わりを告げに来たのかも?
10年くらいになるかな?久しぶりに見た玉虫。この辺じゃまだいるんだねぇ。と、手を止めて一人思ってた。
懐かしくなって撮った玉虫の写真を姉弟のグループラインへ送ってみた。
子供の頃、母のふるさとで見た玉虫を思い出した姉。弟とは一緒にカマキリやカナブン採りへ行った話で盛り上がり…。
めくるめく昭和の話は玉虫色に飛んでゆき、昔々ふるさとの下町にあった大衆食堂のカツ丼のそれはそれは美味しかったことなどへ。
なにを食べても美味しかった子供の頃の舌に戻れたら幸せやろうね、とは姉。
ちなみに、今もってなにを食べても美味しい弟はきっと幸せ。
時計の針はね、時折止まって待っててくれる?
虫一匹のことで昭和にだって戻れる梅雨のひととき。
心和んだ昨夕の、雨も上がった帰り道。
梅雨明けの空を待ちわびて、ちょっとせっかちな虹色の話をすこし…。
雨上がり
2月に花を咲かせた梅の木に、小さな実がついていた。
うっすらと赤みを帯びたそれは、まるで小さな桃飾り。
雨上がりの空気はすっきりとして、鼻の奥へと抜けてゆくよう。
枯れ草色の草むらは、すっかり緑になり、柿の木には沢山の若葉が開いていた。
久しぶりに見上げた枝葉に、せわしげなこの頃を脇へと置いて一呼吸。
桜が散ると、また別の花々が咲く彩りの春。
ずっと春のままだといいのに。
毎年抱くわがままな思いも、一緒に吸い込んだ午後…。
朝のこと
霧の朝は暖かい。
昨日、雨が降ったから。
最近は、よく眠れてる。
夜が暖かいおかげかな。
心なし頭の中のモヤモヤも晴れてすっきり。
長らく寝不足だったかな。
私の中にあったモヤモヤと今朝の霧。
朝は心を映し出す?
白い霧のスクリーン越しにぼやけた朝陽が柔らかい。
しっとりとした山里の朝。
車を停めて、まっさらな今日を肺いっぱいに吸い込んだ。
1月17日
揺れと埃、驚きと恐れにまみれた朝を
忘れないように黙祷した朝。
今日をしっかり生きようと思った…
冬木立
冬木立
すっかり落葉した桜の枝
目を凝らし見上げたら
小さな芽が沢山ついていた
背の低い冬空の下で
一枝をゆらすこともなく
佇んで立つ冬の木々
何を主張してみせるでもない
ただじっと春が来るのを待っているかのよう
冬枯れの水草を映やした水面は
陽と陰を問わず澄んでいた
よどまぬように
水はゆっくりと流れてゆく
時に岩や堰が抗うも
水は自ままに形を変えると
右へ左へ流れて落ちる
よどまぬように
よどまぬように
幾度となく繰り返す四季
随分久しく会えてないね
旧友たちから届いた年始の挨拶
元気にしてますか
また会えるといいね
本年もよろしく
ラインや賀状で交わしたほんの短い言葉に
友人たちの顔が浮かんで
ほっとほっこり心が和む
いろんな町で暮らす各々の今
いつか再会の芽が膨らんだら
きっとまた会える気がして
それまで心がよどまぬように
抗い流されを繰り返す日々
見上げた枝には
春を宿した沢山の芽がついていた
繊細な影絵のような冬木立
花が咲く頃
ふらりとまた来ようと思った…
日溜まりにて
今日も福岡は良く晴れて、空が高い。
明け方、職場のある山あいの地区では、5度まで気温が下がったけれど、日中は気温も上がってポカポカ陽気。
今日も日向ぼっこの昼休み。車のダッシュボードに投げだしたつま先がじんわりと温かい。☀️
そう、とっても行儀がいいですよ。 ^-^
日にあたりながら、時々思うこと。
何でもある幸せと、何もいらないと思える暮らし。
どっちが良いという訳でもなく、人それぞれだろうけど、私は何もいらないと思える時間が沢山あるといいなと思う。
いろんな縛りの中で生きること、時々ほどいては気付くこと。
幾つになっても、なかなか難しい繰り返し。
ポカポカとくつろぐ車内での物思い。
今は温かなつま先だけあれば、それでいいような気もする昼休み…。
洗濯日和
今日は朝から快晴☀️
久しぶりに休日の重なった妻と二人、大分県中津市の耶馬溪(やばけい)の方まで出かけて来ました。
昨年より一週間ほど早く訪れたせいか紅葉はまだまだでしたが、秋晴れの空の下、山国川の澄んだ流れを横目で見ながらの爽快なドライブ。
川沿いの道をしばらく走り、奥耶馬溪に位置する山国町を訪れると、『軽トラ市』なる地元で採れた野菜の直売イベントが開かれておりました。
会場の内外に停められた幾台もの軽トラックの荷台には、様々な野菜が大変良心的な価格で売られていて、つい欲張っていろいろと。
大根にカブ、白菜、椎茸、サツマイモ、キウイ、春菊、柚子、地元産のお米にあとなんだっけ。淹れたてのコーヒーまで頂いて帰りました。
^-^
小さな車のトランクも随分と賑やかになったところで、今度は今少し道を奥へと進んだ所にある猿飛千壺峡(さるとびせんつぼきょう)へ。
吊り橋の上からの眺めです。見下ろすと透き通った流れに目を奪われ吸い込まれそう。しばし見入っとりました。あと半月もすれば紅葉した木々で峡谷が彩られることでしょう🍁
峡谷のすぐそばにある田んぼでは、今年も懐かしい昭和の情景を再現した沢山の案山子達が目を楽しませてくれました。
まるで、案山子達の楽しげな声が聞こえてきそう。
来週末は、この会場で神楽の催しが開かれるそうです。去年は、焼きたての美味しい焼き芋を食べたっけ。🍠
猿飛千壺峡から川を少し下った所にある念仏橋です。
さらに下った所にある魔林峡(まばやしきょう)。光と影のコントラストが見事!
川底まで光で照らされた清流が、とても綺麗でした。
🚙))
しばらくの散策で小腹も空いた復路、通りを少し戻った所で見つけた小さな食堂で、中津名物揚げたてアツアツの唐揚げを買いました。
地元産の米粉を使った唐揚げ。衣はカリカリなのに、中は柔らかくてとても美味しい唐揚げでした。二人で七つも八つも食べたかな。
実はこの前に、山国の道の駅で焼き芋も食べてたりして…。
食いしん坊万歳です。^-^v
少し?お腹も膨れたので、コーヒーでも飲もうと古民家カフェへ寄ったら、あいにくランチタイムで食事をメインでお願いしているとのこと💧
それならばと、お店一押しの団子汁を頂いてきました。まったく良く食べる夫婦です。
団子汁、優しい味で美味しかったですよ。
さすがにお腹もパンパン。
結局コーヒーを飲むのも忘れて出てきました。^-^;
食後は少し歩きたくなった満腹夫婦。青の洞門で有名な競秀峰へ。
競秀峰を貫く墜道です。
この墜道の脇には今もなお、数百年前の享保時代に禅海和尚が旅人の安全を祈願し、ノミと鎚のみで三十余年かけて堀抜いた当時の洞門の一部が残されています。
明かり取りの穴です。
遠い昔に生きた人だけど、思いを形に残せるってすごいですよね。
🚙))
復路も幹線道の近くまで戻ってきたので、最後に三光(さんこう)コスモス畑を訪れました。
コスモスって言っても、何種類もの色があるんですね。
今日で開園最終日とあってか、たくさんの方がコスモスの花を摘んで帰っておられました。
青空の下よく食べて、よく歩き、よく見て周り…
温かな秋の休日、洗い立ての心で終える澄んだ一日でした。☀️